2018年4月26日木曜日

[199] Moments in Love: The History of Chillout Music



2004年5月に英国営放送BBC Radio 2で放映された、チルアウト・ミュージックの特番「Moments in Love: The History of Chillout Music」。19世紀パリのクラシック音楽から、Brian Enoの環境音楽、70年代の電子音楽とダブ、The OrbやKLFに代表されるアンビエント・ハウス、地中海イビサ島のバレアリック・サウンド、さらにはアムステルダムのサパークラブ、イングランドのマルヴァーンヒルズといった21世紀のグローバル・チレッジ、様々な要素がミックスされた00年代のチルアウト・サウンドまで。ムーブメントの形成・発展に大きな影響を与えた音楽家・DJへのインタビューを交えながら、チルアウト・ミュージックとそのカルチャーの軌跡を辿っています。ナビゲーターは長きに渡りバレアリック・チルアウト・シーンを先導してきたDJであり、プロデューサー、ブロードキャスター、音楽評論家のChris Coco(クリス・ココ)。


tracklist.

Groove Armada - At The River / Moby - Porcelain / Zero 7 - Red Dust / Chris Coco - Albatross / Lemon Jelly - Soft / Ralph Myerz And The Jack Herren Band - A Special Morning / Air - Alpha Beta Gaga / Erik Satie - Gymnopedie No. 1 / Chris Coco - Falling / Brian Eno - Music For Airports / Brian Eno - Discreet Music / Tangerine Dream - Phaedra / King Tubby/Scientist - Scientist Doctor Dub / Lee 'Scratch' Perry - Working Girl / Art Of Noise - Moments In Love / Art Of Noise - Il Pleure / Paco De Lucia - Entre Dos Aguas / Vangelis - Love Theme From Bladerunner / Jose Padilla -Adios Ayer / A Man Called Adam - Barefoot In The Head (Acoustic) / Joaquin Rodrigo - Concierto De Aranjuez (Adagio) / 808 State - Pacific State / The Orb - A Huge Ever Growing Pulsating Brain That Rules From The Centre Of The Ultraworld / The Orb - Little Fluffy Clouds / KLF - Elvis On The Radio: Steel Guitar In My Soul / Nightmares On Wax - Nights Interlude / Nightmares On Wax - Pipes & Honour / Lambchop - Up With People (Zero 7 Mix) / Bill Withers - Lovely Day / Chungking - Making Music / A Man Called Adam - Yachts / Thievery Corporation - The Glass Bead Game / Moby - In This World / Zero 7 - I Have Seen / Air - Universal Traveler / The Flaming Lips - All We Have Is Now / Art Of Noise - Robinson Crusoe

2018年4月24日火曜日

[198] Cudù - Waterplay


Label: Materiali Sonori
Catalog#: MASO CD 90013
Series: il Disco è Cultura
Format: CD, Album
Country: Italy
Released: 1990
DISCOGS

1 Madeira 4:12

2 Tocantins 4:01
3 Loneliness Island 8:12
4 Waterplay 5:32
5 Ocean 5:09
6 Sonata Per Gabbiano 5:24
7 Lualaba 4:12
8 The Whistling Of The Sea 2:35
9 Debussy Sur La Mer Avec Arpège 3:44
10 Con Jazz 1:07
11 Requiem 6:07

イタリアのモダンクラシカル・アンビエントを振り返る上で最も重要なレーベルMateriali Sonoriより、看板グループの1つCudù(クドゥー)が90年に発表したセカンドアルバム。グループの中核である鬼才ギター/サックス奏者Paolo Lotti(パオロ・ロッティ)とベース奏者Luca Mazzantini(ルーカ・マツァンティーニ)に加え、ゲストとしてEmbryoのリーダー兼打楽器奏者Christian Burchard(クリスティアン・ブルヒャルト)、Tuxedomoonのメンバーでマルチリード奏者のSteven Brown(スティーヴ・ブラウン)とトランペット奏者Luc Van Lieshout(リュク・ファン・リシャウト)という、このレーベルと深い関わりをもつドイツ・ベルギーの演奏家を迎えた5人編成。雲の楽団を思わせるエスノミニマル「マデイラ」はアフリカ北西沖の島、ツィターの古雅な響きに金属質なギターとサックスが縺れるアヴァンロック「トカンティンス」はブラジル中部の川の名。さらに水のサウンドエフェクトとサンプラーを使った「海」から、「カモメのための子守唄」「海のホイッスル」「アルページュと海の上のドビュッシー」……というように、アルバム全編が川や海を主題として構成されていますが、それぞれの曲名から容易にイメージできるような自然賛美的な描写は皆無。パンク的衝動を押し殺した冷ややかな緊張感と国籍不明のトライバル感、海の底に沈んでゆく青いデカダンスがモザイク状に入り乱れる無指向的サウンドに、当時のクワイエット・ヒップなムードも感じられる一枚です。


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2018年4月20日金曜日

[197] João De Bruçó & R.H. Jackson - Caracol


Label: -

Catalog#: CLP-001
Format: Vinyl, LP, Album
Country: Brazil
Released: 1989
DISCOGS

A1 Instante de Gelo 

A2 Dona Roxa 
A3 Das Matas 
A4 Pântano 
B1 Here We Go Again
B2 Cabarecht 
B3 Terra Batida 
B4 Caracol

パーカッショニストJoão De Bruçó(ジョアン・デ・ブルーコ)とエレクトロニック・プログラマー/ギタリストRobert Henri Jackson(ロベルト・エンヒ・ジャクソン)は、ブラジル音楽では珍しい冒険に乗り出しました。 このディスクは、アコースティック楽器の即興と電子トリートメント、ブラジルのリズムと実験性といった対照的な要素を結び付ける美的観点から、果敢にも完全自主プロデュースによりリリースされました。その成果は魅力的ですが、不慣れなリスナーは疲れてしまうかもしれません。ハイライトは、電子トリートメントされたアコーディオンとテープによるバイヨン(ブラジル東北部の民族舞踊) "Dona Roxa"、ジャクソンが英語で歌った “Here We Go Again"、土星のサンバ "Terra Batida”。 - 音楽雑誌Bizz掲載のレビューより 


Todas as músicas foram compostas por João de Bruçó e R.H. Jackson.

A letra de Here We Go Again é de R.H. Jackson.
João De Bruçó - percussão, voz, sanfona
R.H. Jackson - programação eletrônica, guitarra, voz (em Here We Go Again).

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2018年4月18日水曜日

[196] Mitar Subotić & Goran Vejvoda - The Dreambird


Label: Paulinas COMEP

Catalog#: CD-6442-4
Series: Mistic Series – Vol. 2
Format: CD, Album
Country: Brazil
Released: 1992
DISCOGS

1 Meditation I - Aurora 11:10

2 Meditation II - Zenith 19:05
3 Meditation III - Poente 9:50
4 Meditation IV - Nadir 18:50

ノヴィ・サド生まれのMitar Subotić(ミタル・スボティッチ)と、セルビア人外交官の父を持ち、イギリスやイタリアを転々とした後にベオグラードで青年期を過ごしたGoran Vejvoda(ゴラン・ヴェイヴォダ)。共に旧ユーゴスラビアのアンダーグラウンド・ロック・シーンでの活動を経て、80年半ばにパリに移住。スボティッチはIRCAM=フランス国立音響音楽研究所でエレクトロ・アコースティックの知識を広げながら劇場などの音楽を手掛け、方やヴェイヴォダはメディアアーティストとして美術と音楽の分野を股にかけて活動していました。本作「The Dreambird」は、この2人が86年に共同制作し、同年から92年までの間にユーゴスラビア、イタリア、ブラジルの都市部にある主要パブリックスペースで披露されたサウンド・インスタレーション「The Dreambird, in the Mooncage」(夢の鳥、月の鳥かごの中で)に基づいています。
2015年にOffen Musicにより公式リリースされた「In The Moon Cage」とは双子のような関係にあたる作品ですが、セルビアの古い子守唄をモチーフにしながら民族色を色濃く打ち出した「In The Moon Cage」とは向きを変え、本作はブライアン・イーノ研究家でもあったヴェイヴォダ(84年にイーノに関する本を出版)の趣味が反映されたためか、スボティッチ関連作品の中でも際立って楽園的なアンビエント・サウンドを聴かせる一枚となっています。主要素になっているのは、マダガスカルで録音された野鳥の鳴き声と、柔らかなシンセのリフレイン。それらのエレメントが幾重にも重ねられた4つのセクション「オーロラ」「天頂」「西」「天底」がシームレスに連なりながら、野性の精気に満ちた瑞々しく透明な世界を、ゆるやかな時間の推移ととも描き出した、全1曲といってもよいトータルアルバム的構成。ニューエイジ諸作のようにメロディを押し出しすぎることもなく、聴く人に深い安らぎをもたらすような調和のとれたサウンドが素晴らしいです。レーベルはサンパウロを拠点とするPaulinas COMEP。「ミスティック・シリーズ」の第2弾タイトルとして92年にリリース。このシリーズはインストゥルメンタル作品に焦点を当てたものとみられ、続く第3弾タイトルとして、本作にブラジルでのコーディネーターとして記載されているギタリストEdson Natale(エドソン・ナターレ)とバイオリニストAlex Braga(アレックス・ブラーガ)による共作アルバム「冬の太陽」がリリースされています。
「The Dreambird, in the Mooncage」の功績によりユネスコ国際文化振興基金を受賞し、アフロ・ブラジル音楽のリズムを研究するための奨学金を得たスボティッチは、1990年から活動の拠点をブラジルに移し、伝統的なリズムに最先端のダンス・ミュージックを融合させた新しいブラジリアン・サウンドを作り上げ、シーンを代表するプロデューサーとして地位を確立。しかし、Suba名義のアルバム「São Paulo Confessions」のリリース直後、99年11月に自宅スタジオが火災に見舞われて不慮の死を遂げました。近年Offen Musicが未発表作品をリリースしたことで新しいリスナー層にも認知され、ブラジリアン・サウンドだけに留まらないスボティッチの開明的作品が再評価を受けていますが、この作品におけるアンビエントなアプローチを聴くと、多数残されているという未発表音源や劇場やコマーシャルのための楽曲など、今後のリリースにもさらに興味が高まってきます。



The interest for electroacoustic music, which he had shown since his early works through the motifs of Serbian folkloric lullabies, took him to Paris where in 1985 he composed theatre music and at the IRCAM institute he expanded his knowledge in the field of electronic-acoustic music. During his stay in Paris, with Goran Vejvoda he started recording the album The Dreambird, in the Mooncage, which was the last to feature the pseudonym Rex Ilusivii, featuring the a combination of bird-twitter recordings, made at Madagascar, combined with the Serbian traditional lullabies and electronic music arrangements. The recordings were promoted in an original way in the period between 1986 and 1992 by broadcasting the recordings on the main squares of Yugoslav, Italian and Brazilian cities. Owing to the UNESCO award for promoting traditional culture, which he had got for The Dreambird, in the Mooncage, he got a scholarship in São Paulo where he landed on March 15, 1990 and decided to permanently inhabit. Part of the recorded material was released as The Dreambird in 1994 by the Brazilian label COMEP Music.



Rex Ilusivii ‎– In The Moon Cage (Offen Music, 2015)

Edson Natale & Alex Braga - Sol De Inverno (Paulinas COMEP, 1992)

2018年4月16日月曜日

[195] Sverre Larssen ‎- Wind Harp Recordings 1976-1977


Label: O. Gudmundsen Minde
Catalog#: OGM003
Format: Vinyl, LP, Album
Country: Norway
Released: 2017
DISCOGS

A Nordavinden I  16:05

B1 Nordavinden II 5:37
B2 Sønnavinden 5:05
B3 Interviews with Sverre Larssen 6:24

ノルウェー人ビジネスマンSverre Larssen(スヴァラ・ラーシュン)が70年代に製作したウィンドハープに関する初めてのレコーディング・ドキュメント。ラーシュンがアマチュアの工学技術を基に自由な発想で自作したというこのハープは、やや斜めに傾いた板状のボディに12の弦を平行に張りわたしたツィターのような形態で、ボディに取り付けた4つのコンタクトマイクによって弦振動を増幅する仕組み。収録された3つのトラック「北風 I」「北風 II」「南風」は、砂浜と草地が広がるノルウェー西端の地=ヤレンとセレストランダで録音されたもの。北海から吹き付ける風を受けて発生する風切り音と、うねるように変化する弦のハーモニックな持続音に紛れて、かすかに波の音も聞こえます。加えて、B3は77年11月に国営テレビNorge Rundtと地元のラジオ局で放映されたインタビュー。これまでラーシュンのハープ・レコーディングを単独で収録した作品は存在せず、本国でもマイナーな作家だったそうですが、70年代にはLiv Dommersnes、Åse-Marie Nesse、Kjell Bækkelund、Ketil Bjørnstadといった作家・音楽家の作品の中で用いられ、最も知られているJan Garbarek(ヤン・ガルバレク)の77年作「Dis」では、アルバムの冥想的なサウンドを決定付けるほど印象的な効果をなしています。この編集盤のリリース元であるO. Gudmundsen Mindeは、Lars Mørch Finborud(ラーシュ・モルク・フィンボルド)とLasse Marhaug(ラッセ・マーハウグ)によって昨年新たに立ち上げられたレーベル。フィンボルドはヒップホップのアーティストとして90年代後期にキャリアをスタートさせ、過去10年間はPlastic Strip PressとPrisma Recordsを運営し、ノルウェー国営放送局NRK、ヘニーオンスタッド美術館、アルネ・ベンディクセン・スタジオなどのアーカイヴから、ジャズ、ソウル、プログレッシブ・ロック、アバンギャルド、電子音楽に及ぶ北欧音楽を発掘・紹介してきた名プロデューサー。方やマーハウグは、Jazkamerのメンバーとしても知られる重鎮ノイズ・インプロヴァイザー。「Dis」などのクレジットからこのような稀有な音源を深堀りするに至ったとみられますが、昨今のレアグルーヴ的探究とアンビエント・リスニングの相関を暗に示すような一枚にも感じられます。


This LP marks the first ever release of Sverre Larssen’s infamous wind harp recordings from the late 1970s -tonal long-form drone music akin to the works of Paul Panhuysen and Ellen Fullman. In the early 1970s the Norwegian businessman Sverre Larssen decided to construct a wind harp at his cabin at Sele, Jæren on the west coast of Norway. Using his free imagination and amateur engineering skills, Larssen constructed a harp with 12-strings, which was brought to vibrate by the wind. Based on the principle of the electrical guitar, Larssen amplified the strings using four contact microphones and then recorded the sounds direct to tape. Word about Sverre Larssen’s instrument began to spread and during the 1970s notable artists such as Liv Dommersnes, Åse-Marie Nesse, Ketil Bjørnstad, Kjell Bækkelund and Jan Garbarek utilized the sounds of Larssen’s wind harp. O. Gudmundsen Minde, in close collaboration with Sverre Larssen’s family, have unearthed the only remaining tapes, photos and interviews documenting the fabled wind harp. OGM is proud to present this important rediscovery in the canon of Norwegian experimental music.


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