2016年12月18日日曜日

[099] Владимир Леви & Ким Брейтбург - Млечный Сад


Label: Ritonis
Catalog#: SP02-0020
Format: Vinyl, LP, Album
Country: Latvia
Released: 1993
DISCOGS

А1 Смысл 4:12

А2 Отпускаю Тебя 5:14
А3 Волны Покоя 7:01
А4 Не Уходи, Дарящий 5:10
В1 Пробуждение 3:14
В2 Млечный Сад 4:36
В3 Солнечная Сторона Жизни 5:49
В4 Иду 3:06
В5 Сам Попробуй 5:14

70年代後期に結成、メロディアスなプログレッシヴ・サウンドとレーザーの視覚効果を使ったステージ演出で、ヨーロッパを中心に32カ国でツアーを行い、ソビエトを代表するロックバンドとして名声を得たDialogue(ダイアローグ)。そのグループのフロントマンで、現在まで映画・テレビ・ミュージカルのための作曲を手掛けているウクライナ・リヴィウ出身の作曲家Kim Breidburg(キム・ブレイトブルク)。Justinas Marcinkevičius(ユスティナス・マルツィンケヴィチュース)やAndrei Tarkovsky(アンドレイ・タルコフスキー)といった脚本家・詩人らに作詞を依頼し、音楽・文学・映画・舞台芸術の区分を超えたコラボレーションからDialogueの創造性を深めたBreidburgが、グループ解散前後の92年に、著名な心理学者Vladimir Levi(ヴラディミル・リヴィ)と共同制作し、音楽療法のためのレコードとして93年に発表したのが本作「ミルキーガーデン」。リリース元は、元国営出版機関Melodiya傘下でラトヴィア・リガを拠点とするレーベルRiTonis。レコーディングには、Kim Breitburgのシンセとヴォーカルのほか、Vladimir Leviの息子Maxim Levi(マキシム・リヴィ)がギターで、ダイアローグ・スタジオのエンジニアAndrei Usatii(アンドレイ・ウサティ)がベースで参加。 

ライナーノーツには、ヨーロッパで17-18世紀に作曲された「鎮痛」「解熱」「ストレスケア」のための医療音楽や、歌が精神を癒すと信じられていた古代の音楽療法、そして20世紀に再び花開いた「瞑想」「サイケデリック」「ニューロムジカ(神経に作用する音楽)」「催眠音楽」などの例が挙げられ、アルバムのAサイドを自己催眠や瞑想、睡眠、仕事後にリラックスタイムに、Bサイドは気分を向上させ、感覚を研ぎ澄ませ、エネルギーを補充し、意志を強化するために…という各サイドの趣旨と、1日数回のリスニングを1週間続け、2・3日休む、それを数ヶ月繰り返し継続する…という使用方法が記されています。ヒーリングを目的とした作品、とはいえ、ディープなメディテーティヴ・サウンドを期待すると拍子抜けするほどポップなメロディを高らかに歌い上げるオープニングから、潮騒とクラシカルギターに囁くようなリーディングを被せたA3、ツインピークスのサントラを思わせるB1、東洋的なムード漂うコスミック・ナンバーB2、さらには食料品売り場に流れていそうな軽快なインストB4まで。きらびやかなシンセのアレンジと打ち込みドラムによるイージーな曲調が並ぶなか、とりわけ同時期のインディ/ドリームポップへ通じるA4 "Do Not Go Away, Giver" の幻想的な美しさに耳を奪われます。この曲でKim Breitburgと共に歌っているMaria Breitburg(マリア・ブレイトブルク)は、おそらく彼の親類とみられる女性シンガーソングライターで、現在はロシアン・ポップスの作詞家として活動しているようです。

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